31.静岡開拓ツアー

シルバーウィーク初めの9月18日(日)~19日(月)、静岡を開拓。

きっかけは以下3点。
・最近、仕事で静岡県を訪ねたこと
・以前から行きたかった芹沢銈介美術館があること
・往来堂書店で「デザイントラベル静岡」(http://www.d-department.com/jp/project/d-design-travel/shizuoka/)を買っていたこと
物事は醸成されて、ふとヨメと二人で静岡に行くことになるのでした。

東京駅8:03発のひかり号で静岡駅まで69分。駅でレンタカーを借りる。デミオ黒。いきなり美術館に向かうのも芸が無いので、適当に「日本平」という名称の富士の見晴らしがよろしい山の上へ向かう。ぐねぐねと山道を登る。駅から車で20分ほど。

夏富士は黒い。眼下には清水の港が見える。売店で島田市の「みかん水」を飲む。菓子「こっこ」2ケ入を買う。駐車場にはディアブロとカウンタックがおり、あの平たいの2つはどちらがより新しいか分かるかとヨメに問うも、ほぼ同様に見えるとの回答があり、君は中古車輸入業者またはカーデザイナーにはなれまい、と無念を伝える。

山を下り11時を過ぎたので腹を満たす。また20分ほど走り「静岡 ウナギ」というベタなキーワードで仕留めた「石橋うなぎ店」に到着。

有名店のようで店中にサイン、解読できたのは「岸部一徳」のみ。バイカーの方々が団体でいらっしゃるも11時半なのでまだ空いている。うなぎ1匹をまるごと焼いたウナギ定食3000円。大盛はご飯多すぎたが僅か50円増し。不思議なトライアングル型のうなぎ配置。これは静岡の県技か。甘めのタレがこってりとボリューム。大変に美味。

ぶろろ、と腹ごなしに海っぺりに向かうと、誤って焼津港まで来てしまう。カツオ漁船だろうか、マグロ漁船だろうか、手ごろに大きくてスピード感も備えた筋肉質な船が浮かぶ。「釣り禁止」の堤防の上でプロフェッショナルな雰囲気の長い竿を出す人たちが数人。

14時。市内に取って返して芹沢銈介美術館。意外にも登呂遺跡公園の中にある。人が2000年は住んでいる保証付きの好立地。

1時間ほどの見学を予定していたが、白井晟一の空間がすばらしく、桜映画社製作のドキュメンタリフィルムを眺めながらウトウト、途中大きなソファと小さな中庭のある休憩室でうとうと、都合2時間ほど過ごしてしまう。小体な美術館としてはかなり優れていると思う。築後20年以上経過しているが、風化をまったく感じさせない。建築素材と光線と造形ディティールを体験するだけでも1時間はじっくりいける。芹沢作品も見ないといけない(これもまた当然十分に楽しい)ので、心持ちが忙しい。近所にあれば3か月に1度くらいは来ちゃいそうな場所。バブルの税収を静岡市は本当に尊い形でお使いになられましたね、と当時の関係者の方に感謝したくなる。

ほほわ、ほほほわ、とした気分で美術館を後にする。16時半。そのまま一気呵成に、免許取りたてのヨメを路上デビューさせる。助手席より神経をとがらせているうちに、10分ほどで「d&department静岡」に。本当に田んぼのなかにある。

1階カッフェにて疲労を取るためパッフェやシッフォオンケーキ等を頂く。カリモクとマルニ木工の家具が、東京よりもゆったりと配置されていてのどやか。大きな窓ガラスからは、右手の丘陵地帯に静岡大学のキャンパス群、左手奥に本日2度目の夏富士。車でなければ沼津の地ビールを飲んでしまうところです。2階の家具コーナーでマルニ木工の3シーターソファなど欲しくなるも25万円。長期戦の様相。みなさん、楽しそうに働いている素敵な店。

18時を過ぎてしまい、狙っていた静岡駅近くの児童書とおもちゃの「奇跡」の店との噂の「百町森(ひゃくちょうもり/http://www.hyakuchomori.co.jp/)」さんは閉店、あきらめる。駅近くなので、次の機会に。

19時、オークホテル静岡に到着。これも「デザイントラベル静岡」より。取材中、編集スタッフの定宿になっていたそう。セミダブルの部屋が楽天トラベルにて9500円(2名1室の料金)。歩くと駅からは15~20分あるけれど、7階に展望風呂があったり、エレベーター周りに自然光を引き入れられる窓が設計してあったり、部屋のデスクライトにミケーレ・デルッキ「トロメオ」が自然に収まっていたり、90年代後半築の確かに使い勝手の良いプチホテル。値段も手ごろだし。

風呂に入って20時半。静岡おでん街にチャレンジするも、ヨメはディープすぎる、、と辞退。私は攻める気持ち満々だったので残念だが、別々にメシを食うわけにも行かず泣く泣くあきらめる。駅の方に歩いて行って、地元の魚を食べられる店「鯛屋」さんにて食事。「磯自慢」(焼津)、「満寿一」(静岡市)、「喜久酔」(藤枝)、「中屋」(富士宮)など、静岡の地酒がどれもおいしい。焼きはんぺん、桜エビシューマイなども美味。

部屋に戻って疲れもあり就寝。

●→○

翌朝は早起きして朝ぶろ。7階浴場からは下の道路や電気屋が見える、ってことは向こうからも見えるんだろうな。朝ごはんのオムレツ美味。

9時出発。家康公ご隠居の駿府城跡を一回りしてから清水港のフェリーターミナルへ。10:40の駿河湾フェリーで、車ごと西伊豆にわたる。約1時間の船旅。左舷にまた夏富士。東南アジアからの旅行者カップルが、デッキで盛んに写真を撮っている。

西伊豆の土肥(とい)港から南に30分ほど走り、堂ヶ島を過ぎて、松崎へ。

こちらも以前から気になっていた伊豆の長八美術館へ。ロードサイドに突然あるシチュエーション。到着してしまって「あれ、あ、これか」と思ってしまう唐突さ。お昼がまだだったので中まで見るか迷い始めるが、せっかくだからと500円。石山修武の建築は独創的だけど、建築された時期も近い昨日の白井建築と比べると、「…まあ、こういうのが流行った時期があったんだろうね」と思いたくなる感じ。サグラダファミリアで有名な彫刻家の外尾悦郎氏の作品が野外に二つ置いてあるのも取り合わせの意図が見えず謎。10代終わり頃につげ義春のマンガの中で取り上げられているの見て以来くすぶっていた、私の伊豆の長八への思念は一段落を見せる。

13時半。おいしいものばかりたべていたので、お昼はロードサイドのセブンイレブンでコンビニごはん。そしていろいろな見物にも疲れてきたのでドライブメインに変更。いっそ半島の南端までいっちゃえと松崎下田線で山の中を抜けて下田へ。15時着。

何気なく来てみたが下田はおだやかでとてもよいところ。港に手入れの行き届いた船がきれいに並んでいる。海がゆったりと揺れている。

パンフレットやガイドを読むうちに、ここは江戸時代から交易拠点として栄えており、また、忘れていた日本史的事実として、函館とともに近代日本最初の貿易港の一つだったことに気付く。いわば伊豆の京都。これまで知らなかったが、潜在的文化度が高い土地みたい。

しかし、今日は時間が無いので、目についた喫茶「平野屋」でカフェオレとヨーグルトドリンクを飲んで休憩した後、ペリーロードをうろつき、地元のスーパーを冷やかし、下田あんぱんを買い、伊豆急下田駅でお土産まで買って、レンタカーを返す三島駅まで一気に半島の真ん中を北上。

17時発、デミオで頑張るも山道をベンツやBMWにぶいぶい煽られながら、19時半到着。
19:49発こだまで東京まで58分。

帰宅してから調べたら、東京駅→伊豆急下田は踊り子で2時間40分、6000円、パックツアーだと宿代(朝夕食付)・電車代で22000円位から。次回また来てみたいのでした。車だと4時間かかるみたい。疲れたときに東京から行きたい逃げ場所をようやく見つけました。
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